「4桁の数字を10にするゲーム」の成功率

駅で買った切符の「4桁の数字を10にするゲーム」をついやってしまうのだけど、前々からかなりの高確率で10にできることに気を揉んでいた。
それで最近、実際10にできる確率はいかほどか、ついに確かめてみた。

ローカルルールがけっこうあるらしいけど、自分ルールは以下。
・数字の並び替えなし
・()は使わない
・先頭にマイナスをつけるのはなし。
・指数演算とか変な手はなし。
この条件はつまり、4つの数字の間にある3つの隙間に「+」「-」「×」「÷」のどれかを入れるだけ、ということである。一番シンプルなルールだ。


さて、10にできる確率をどう確かめるかだが、クールな方程式を使って少ない手数で証明したくなるのが理系というもの。だが、思いつかない。早々に泥臭い数え上げで行こうと気持ちを切り替え、Excelを使うことにした。
いきなり4桁はきつそうなので(かつ興味で)、まずは3桁で試してみた。3桁の場合は2つの隙間に「+」「-」「×」「÷」を入れるだけ。単純。

さて、2箇所に4種類の演算子を入れる組み合わせは4x4=16通りだが、実際はどう考えても10にできないものがあるので、あり得る演算は「++」「+-」「+×」「+÷」「-+」「×+」「×-」「××」「×÷」「÷+」「÷×」の11種類である。これを1000個の数で総当り戦した。



……結果、

3桁の数字を使って10にするゲームの勝率は、225/1000、つまり22.5%である。思ったより少ない。
ついでに225個のうち、二通りの演算で10にできるものは40個、三通りの演算で10にできるものは10個、四通りの演算で10にできるものはただひとつだ。
そのただひとつの数とは、911
9+1×1、9+1÷1、9×1+1、9÷1+1、と小2でも見た瞬間に10にできるレベルである。


* * *


さて、これで3桁の場合は終わった。4桁の場合はどうか。
しかしやることは3桁の時と一緒。面倒が増えるだけで問題はない。
4桁の場合のあり得る演算は4×4×4で64通りだが、これまたいくつかは10に出来ないことが自明なので、結局50通りに絞られる。なので、10000×50=50万通りの計算をして、10になるものを洗い出せば良いだけだ。50万通りの計算など、Excelにとっては蚊ほどのことでもない。


……で、結果。
4桁の数字を使って10にするゲームの勝率は、4349/10000、つまり43.5%程である。おおっ、3桁に比べて倍近く増えた! 実際に切符を買って感じる勝率に近い気もする!

そして、お待ちかねの「10にしやすい王」であるが、今回は複数の演算方法で10にできる数がかなりある。二通りの演算で10にできるものは1165個、三通りは391個、四通りは341個もあるのだ。さて問題、10にできる演算を複数持っている数のうち最強のものは、一体何通りの演算で10にできるのだろうか。そしてその数とは何だろうか?

第三位! 9通りの演算で10にできる数=8222
なんと、9通りはこの「8222」のみ。そして、第二位以降を見ると、この数字の特殊性が際立つのである。つまり、あのクソ万能な0と1を含まない数なのだ。恐るべし「8222」!

第二位! 10通りの演算で10にできる数=「1119」「1191」「1911」「2118」「3117」「4116」「5115」「6114」「7113」「8112」「9101」「9110」!
なんか、あまり驚きがないというか、ふーん、そうなんだという感じ。そりゃ1や0使えば楽勝だろうと。甘えてんじゃねぇぞと。

第一位! 15通りの演算で10にできる数=9111
うん。知ってた。だが、二位を大きく離して15通りという部分は評価したい。そんな数字。


かくして、4桁の数字の10にするゲームの勝率は暴かれた。
だがこうなると、
・5桁はどうか、6桁はどうか、さらに桁を増やしていったときにその確率はどのあたりに収束していくのか?(桁を増やせば勝率も上がると必ず言えるのか)
・N桁の数字を10にできる確率を現す美しい方程式はあるのか?
・最強の数字はやはり911…系なのか、それを打ち破る下克上があるのか?
といったことが気になってくるのが理系というもの。でも、無理。誰かに任せた。


以上、ずっと気になっていたことでした。

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